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ひいなの描彩について

· コラム

たくさんの種類があるおひなさま。

どう選んだらいいの?いったいどこが違うの?と

悩むかもしれませんので

少し説明させていただきたいと思います。

 

 

【目の描き方の種類】

目の種類は全部で3種類あります。

「一筆目(いっぴつめ)・二筆目(にひつめ)・二側目(にそくめ)」の3つです。

最初の写真は、一筆目と二側目の違いです。

男雛を並べてみました。

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左側、目をほそめて笑っているような描き方が「一筆目」。

右側、きりっとした涼しげな目元が「二側目」。

眼点に加えて、下のまぶたも描いてあります。

次の写真は、二筆目(にひつめ)です。

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上のまぶたで“一筆め”、眼点を入れて“二筆め”、と二筆で描かれているので、「二筆目」と呼びます。

少しあどけないような可愛らしい表情となります。

今回のオンラインショップでは、「花円(はなまどか)・松花(しょうか)・初花(はつはな)」のみ、二筆目がございます。

目の違いによって、表情や雰囲気が変わりますので、お好みのものをお選びください。

 

 

【胴模様の種類】

胴模様には、「松竹梅模様」と「こけし模様」があります。

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左が「松竹梅模様」、右が「こけし模様」です。

「こけし模様」に描かれているのは、桜井こけし店の伝統こけし「岩蔵型(いわぞうがた)」に描かれる「菊」です。

この菊の模様は、明治生まれの先代のひとり、大沼岩蔵より代々受け継がれてきました。

「松竹梅模様」は、五代目昭寛が「ひいな」に取り入れた模様です。

梅の花びらの色の重なり具合など、とても繊細に描かれていますので、それぞれのひいなの写真でご覧いただけると嬉しいです。

いくつか他の「ひいな」も見ていきたいと思います。

下の写真の「華珠(はなだま)」の男雛は、菊模様が金で描かれていて気品が漂います。

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一方、こちらは「座雛(すわりびな)」。女雛に描かれた梅の花は、ピンクの上に白が塗り重ねられ、奥行きと暖かさが感じられます。

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着物を一枚一枚重ねるように、時間をかけて細部まで丁寧に描かれていますので、お選びいただく際にはどうぞご注目ください。

 

 

【ろくろ技術について】

先代から受け継いできた、ろくろの技術のひとつに「ビリガンナ」という技法があります。

ろくろで木地を回転させながら、カンナを跳ねさせるように削ると下の写真のような模様が現れます。

今回のオンランショップでは、「華雅(はなみやび)」「昭二型 黄胴」「昭二型 ビリガンナ」の3種にこちらが施されています。

下の「ひいな」は、「華雅」。

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次に「昭二型 黄胴(きどう)」です。

肩のとても細いラインに繊細な技術でビリガンナが施されています。

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そして最後が「昭二型 ビリガンナ」です。

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先代から受け継いだろくろの技術、描彩の技術をベースに、昭寛の自由な感性で生み出される多彩な「ひいな」。お好みの一点をお選びいただけたら幸いです。