·
昭和20〜30年代、昭二が創作こけしに意欲を出して製作した時代がありました。
第二次こけしブームの前の頃の話です。
こけしのおひなさま『ひいな』はちょうどその頃に生まれました。
昭二が初めて作ったおひなさまのような二対のこけしがこちらです。

このこけしが、最初に生まれた『ひいな』です。
初期のひいなは、鳴子のこけしらしい形をしています。
「民芸手帖」昭和40年3号の表紙にも使われました。
次の写真は、同じ頃に作られた創作こけし。

それぞれ「エジプトの姿」「貴婦人」「女」などの名前がつけられています。
いま見ても古さを感じさせない、数々のモダンなこけしが作られた時代でした。
次の写真のひいなの表情を見てみると、これらの創作こけしと似た雰囲気の顔が描かれていることから、同時期につくられたことがわかります。

最初のひいなを作ったあと、お雛様の原型である立雛をベースにしたT字型の『立雛 組木』やねまりこをベースにした『座雛 黄胴』など、次々と新しいデザインを生み出していきました。

こうして、昭二が新型のこけしを作る中で生み出され、発展してきた『ひいな』。
これらの昭二が作ったひいなは、五代目昭寛が受け継ぎ、現在も作り続けています。
昭寛作『昭二型 立雛 組木』

昭寛作『昭二型 立雛 ビリガンナ』

昭寛作『昭二型 座雛 黄胴』

昭寛の感性で表現される『昭二型』。
昭寛ならではの繊細で華やかな描彩と上品な佇まいが感じられます。
オンラインショップの写真一覧も合わせてご覧ください。